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穴あけの終わった第1層上板(3mmアルミ板)、固定ピン (4 x 10 1.5t アルミ)、ポリカーボネートのワッシャー、そして既に加工してある巻上げ軸。 小さな穴は逆転防止装置用に切ったメスネジ穴です。
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第1層上板をポリカーボネートワッシャーで両面から挟み巻き上げ軸を通した後固定ピンをエポキシ樹脂接着剤併用でがたつきがないように叩き込みました。 この写真は内部側で、この部分にスプールの片方が嵌ります。
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真横から見た所。 ポリカーボネートのワッシャーアルミ板を挟んでいるのが判ります。 ポリカーボネイトのワッシャーを挟んだのは柔らかいアルミの磨耗防止とフリクションの増大を狙ったものです。
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上面のクローズアップでオリジナルの設計どおり作る場合は、巻上げ軸はこれで完成です。 後はこの部分に内径6φのラジオ・アンプ用ツマミを固定するだけです。
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第1層上板の上側から見たエポキシで固定したフィルム送り出し側のスプール軸受け。 元々の長さは長すぎるので、8mmとなるまでヤスリで削りました。
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この軸にもポリカーボネートワッシャーを被せまが、ポリカーボネート面から4mmの突出量となりここにスプールの穴が嵌り込み自由回転します。
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ここからが逆転防止機構の製作です。 これが2重ボリューム(2重可変抵抗器)という電子部品で、25年以上眠っていた真空管アンプ用のものです。
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中央ののぺっとした部分が外径8φ、内径6φのパイプ状になっています。 この部分がローレット(ギザギザ)になっている物もあり、両タイプを長さ6mmずつで切り出しました。
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のぺっとしたものとローレットつきの2種類を切り出し、巻き上げ軸にエポキシで接着しました。 これで軸径は8φとなります。
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ジャンクから探したバネを15 x 4mmに切断し、0.8mm真鍮板で作ったL金具にリベットで固定し、直角に曲げた逆転防止の金具です。
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巻き上げ軸の両側に逆転防止の金具をネジ止めしましたが、ネジ1本では緩みやすいのでエポキシを併用しています。 バネがローレットの溝に当っているのが判ります。
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逆転防止機構を真上から見たところです。 フィルム巻上は時計方向ですが時計と反対方向に廻そうとすると板バネが引っ掛かって廻らない構造が判ると思います。
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ツマミを取り付けるとツマミの内部のえぐれ部分に逆転防止機構が隠れます。 第1層上板との間に5.5-6.0mmの隙間がありますが、5mm厚の第2層上板が後で取り付くので隙間はごく僅かとなります。
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これだけをみても面白くもなんともありませんが、上から見た完成後の第1層上板全景です。
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アルミ板と真鍮板を素材として使い、ジグソーで大まかに切断してから金工ヤスリで仕上げて作ったシャッターで、組み上げにはエポキシ樹脂を多用しています。 動作の信頼性は99.5%位といったところでしょうか?
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第1層を構成する部品を切り出しました。 この中に写っていないのはフィルムレールと緩み止めのバネだけです。
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撮影画面枠は枠断面で光が反射して写り込むのを防止するため斜め(約30度)に削り落としました。
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斜めに削り落とした撮影画面枠(10)です。 手前が前方になります。
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いよいよ接着開始。 ボンドで中枠側板(6と7)と中枠底板(8)を接着します。
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撮影画面枠を更に木工ボンドで接着します。 ハタ金や小型のクリップが活躍。
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スプール受け板(15.16)に銅のピンをエポキシで接着。 更に小型のヒンジをこれまたエポキシで接着しました。
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スプリングの外れ防止に8φのラミン棒を7φに削り厚み1.5mmで切断し銅ピンの頭にエポキシで接着。
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中枠底厚板(9)を木工ボンドで貼り付け。
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中枠底厚板の両端にスプール受け板のヒンジ部分をエポキシで接着しました。
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外側と内側のフィルムレール(11〜14)を曲げないようアルミ板から切り出し、フィルムの当る面はクレンザーと歯磨き粉で研磨します。 下2本は内側のレールで、端5mmを緩いカーブで研磨してあります。
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註): クレンザーと歯磨き粉は身近にある格安の研磨剤です。
別に測定したわけではありませんが、感覚的にはクレンザーで磨くと#400位の細かさに、歯磨き粉ですと#2000以
上になっているのではと思います。
実際には寸法を調整したレールを平らな板の上に置き、小さな板切れにクレンザー或いは歯磨き粉を付けて擦るわ
けです。 クレンザーで擦るとじゃりじゃりした感触が伝わってきますが直ぐにねっとりした感じになり木片は真っ黒
になります。
歯磨き粉の場合はじゃりじゃりした感触は全くありませんが、これも木片で擦っているうちに木片は真っ黒になって
きます。(何れもアルミが削れ落ちたために付く色です。)
こうして歯磨き粉で磨き上げるととフィルムに全く擦り傷がつかないくらいに滑らかな表面になります。
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内側レールを中枠の所定の位置にエポキシで貼り付け次に外側レールを貼り付け。 レールに傷を付けない様充分注意。!
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4本のレールを貼り終った中枠。 外側レールと内側レール段差は0.5mmの筈ですが、実測では0.45-0.50mmでほんの少し低いものの許容範囲に入っています。
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フィルムレールのクローズアップ。 内側の端を緩いテーパーで落としてありますので、レール端の角が直接フィルム面には当りません。
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更に内側側レール間の木の枠角も緩いテーパーで削り落とし、フィルム面が当らないようにしました。
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0.2mm厚の燐青銅でスプール押さえ(47、48)を作りエポキシで中枠両横に接着しました。
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上から見たところでスプール押さえの曲げの具合が判るでしょうか? 実際にはスプールに軽く当りフィルム巻き取りの緩み止めになります。
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出来上がった中枠に無光沢黒の塗装をしました。 使った塗料は黒板用のものです。 無光沢という点ではかなり良さそうですが、金属面の塗膜は極めて弱く簡単に剥がれるのが難点です。
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塗装を施した中枠内部。 よく見えないと思いますが、反射光防止にかなり効果がありそうです。
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次に中枠に底板(2)と前板(5)を木工ボンドで貼りました。 相変わらずクランプハタ金でしっかり密着させています。
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完成してからでは塗りにくい部分の艶消し塗装をあらかじめ済ませておきます。
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第1層の組立では最後の工程になりますが、側板(3、4)を貼りアルミの上板(1)をエポキシで接着。
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接着後未塗装部分を塗ってカメラ本体第1層部分が完成しました。 フィルム巻き上げも試してみましたが、旨く動作し不具合らしき物は今の所見当たりません。
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完成した第1層の本体を後方斜め上から見たところ。 だいぶカメラらしくなってきました。
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同じく前方から見たところですが、表層の板で覆われてお化粧されない限りのっぺりとしていて面白みがありません。
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第2層(表面)となる底板(18)と上板(17)の外側の予備加工をしたところ。
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同じく内側で三脚取り付けのネジを切った3mmアルミ板や、銅リベットが隠れる座繰り穴が見えます。
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こちらは第2層の前板(25)と後板(26)です。 後板にあけられた丸い穴は撮影枚数確認の窓となります。
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第2層側板と上板そして底板を接着中。 上板はアルミ板に貼る為合成ゴム系G17を、他は木工ボンドを使っています。
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更に裏蓋側板(23,24)と裏板を本体に当てた状態で接着(これも現物合わせの考え方)。 この時本体との間にサランラップを挟んであります。
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合間を見計らいアクセサリーシューを高さ調整の4mm厚アルミ板を挟んでエポキシで第1層アルミ上板に接着しました。
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註): 木工ボンドがはみでて他にくっつかないようサランラップで保護する方法は覚えていて損のないテクニックです。
サランラップに木工ボンドは付きませんから後で簡単に剥がせますし、厚みが薄いため余計な隙間が生じることも
ありません。
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第2層(表層)を貼り終った本体を前面から見ました。 巻き取りツマミも付けてみました。
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同じく後ろ側で、極めて単純な箱というしかない外観です。
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前板の予備加工(ピンホール板埋め込み部の彫りこみ、シャッターのネジが当る所の座繰り、シャッターユニット固定ネジ穴そして前カバー固定ネジ穴)を施しました。
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ピンホール板だけは交換・調整が簡単に出来るようセロファンテープ止めとしましたがシャッター板との間に挟まるため動くことはありません。
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シャッターユニットを固定し、これまで説明していなかった ある追加加工の準備に入りました。
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前カバー枠(28、29、30、31)を木工ボンドで貼りあわせます。
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シャッターレバーとコッキングレバーが通る欠き込みをヤスリで加工した後、1.5mm厚アルミ板で作ったLアングルに4mmネジを切った金具をエポキシで貼りました。
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ケーブルレリーズを取り付けタイム露出状態とした所です。 ケーブルレリーズが付いたままでシャッターレバーでシャッターを作動させることも可能です。
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註): ここで追加したLアングルはケーブルレリーズの固定ネジとなります。 この機構の追加によりバルブ動作と同時に
タイム動作も可能になりますし何と言ってもシャッターを作動する時のカメラブレを軽減できます。
無論ケーブルレリーズ無しでも使えますし、ケーブルレリーズ装着時にケーブルレリーズには拘わりなくシャッター
を切ることも可能です。 これは素晴らしい思い付きでした。
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そのアップ。 シャッターレバーの断面は強度を確保するため断面がL字状になっていますが、そこをレリーズの心棒が押すような構造です。 シャッターが開いたままのタイム露出が可能になります。
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巻き取り装置のバックテンション機構をすっかり忘れていたため、0.4mm厚燐青銅板で急遽追加しました。燐青銅板がフィルムスプールのフリンジ部分を押し付けバックテンションが掛かります。
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フィルム圧板をプリント基板から切り出しました。 穴は撮影駒数確認の窓です。 この後両面を艶消し黒で塗装します。 ここまでに使った塗料は擦れに弱いので、アサヒペン クリエイティブカラーのスプレータイプを使用しました。 艶が若干多いですが擦れに対しては強いようです。
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フィルム圧板の裏側に2.5mm厚の黒スポンジテープを貼りその上に両面接着テープを貼りました。 フィルム巻上のテストちゅうですが、この後裏蓋を載せてフィルム圧板を裏蓋に固定します。
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フィルム巻上げやシャッターの動作を確認した後、総ての部材を外してボディー整形作業にはいりました。 整形作業は、カンナ掛け → 木工ヤスリ粗目 → 木工ヤスリ中目 → 木工ヤスリ細目 → #600ペーパーと丸1日掛けました。
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和新ペイントの水性ステイン(マホガニーブラウン)で着色しました。 変則的ですが原液を刷毛で2回塗りして乾燥後#600ペーパーで研磨した上に更にステインを塗り重ねた3回塗りでかなり濃いめです。
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とにもかくにも5回塗りの塗装が終わった本体、裏蓋、前カバー。
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前カバー拡大写真。 この位離れて見るとうまく塗装が出来たように見える。
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同じく角の部分のアップでこれまた良さそうに見えます。
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シャッター動作に支障ない範囲を無光沢黒で塗装。 シャッターボタン、コッキングツマミもアルミを削って組み合わせ固定しました。
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全体を組上げ試写出来る状態になりました。 前カバーには大きな穴があり臓物が見えて見苦しいですが、試写後にお化粧します。
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試写のためのフィルム装填。 6 x 9判ですから#120フィルムで8枚撮りとなります。
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撮影枚数確認窓(昔は赤窓と呼びました。)のカバーをアルミ押出し材を削り貼り合わせて作りました。
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このカバーは写真のようにスライド式に開閉します。
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1mm厚アルミ板を細く切断し四角い枠状にしエポキシで端を接着。 これが前カバーに嵌め込まれフード枠になります。
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1mm厚塩ビ板を切った5枚貼り合せの遮光ブロック。 これは裏側でフード枠の後に固定され、間に化粧紙を挟む。
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完成したピンホールカメラ。 前カバーの大きな穴も遮光ブロック、フード枠、化粧紙が取り付け綺麗になりました。 私のニックネームをもじったVictron Ultra Wideなんていうレンズ名?や焦点距離、F値表示(f=35mm 1:175)も入れて カメラらしいルックスになりました。
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背面の様子。 撮影枚数確認窓が見えるだけで極めてシンプル。
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裏蓋固定は両側に付けられたドイツ錠でなされます。
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